Book Clubでも紹介している『ふしぎなガーデン—知りたがりやの少年と庭』で題材としている、ニューヨーク・マンハッタンのハイライン。人が入らなくなった鉄道の高架橋跡に生えた草木を市民たちが手入れするようになり、ついにはニューヨーク市が公式にそこを公園として再利用することを決めたという、実際のストーリーがモデルとなっている。
Papersky は、このハイラインプロジェクトを世界に伝えた最初のメディアのひとつだ。2003年に刊行されたPapersky no.6 「アーバングリーンを求めて、NYへ」特集号では、当時からハイラインの写真を取り続けていた写真家のジョエル・スタンフィールドとともに、解体をまぬがれ緑地帯としての役割を得たハイラインを歩いた。
「線路をそのまま保存すれば、オフィスを出た後そのまま線路を歩いて帰る、なんて事もできる。それは都会の住人好みの「田舎風の雰囲気」をかもし出す。またハイ・ラインの保存は「細長い公園」を創る事となり、歩行者はそこで他の歩行者と出会う事になる。これは、セントラル・パークとはまた違った形で、その地域の住人としての自分の存在を自覚する、という体験を生む」(ジョエル・スタンフィールド)
彼がハイラインにレンズを向けた写真集『Walking the High Line』は、それが単なる朽ち果てた鋼の梁ではないということを人々に納得させ、その保存キャンペーンの中心的役割を役割を果たした。Papersky no.6でも掲載されているその写真には、冷たいブロックの中で絶えず移り変わる自然の姿、街の叫びや囁きが写し出されている。