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小津安二郎が愛した酒、ダイヤ菊を買い求めて

映画監督として、「麥秋」「東京物語」など、昭和の日本を描いた名作を数多く残した巨匠・小津安二郎。東京生まれの彼が、脚本家の野田高梧とともに、多くの作品のシナリオを書いたのは、信州蓼科高原の別荘だった。山々に囲まれた蓼科の […]

03/17/2010

映画監督として、「麥秋」「東京物語」など、昭和の日本を描いた名作を数多く残した巨匠・小津安二郎。東京生まれの彼が、脚本家の野田高梧とともに、多くの作品のシナリオを書いたのは、信州蓼科高原の別荘だった。山々に囲まれた蓼科の自然を愛し、土地の暮らしを好んだ小津は、「蓼科は、うまし処ぞ」という言葉を残しているが、中でも彼が愛飲していたのが、地元諏訪の酒「ダイヤ菊」。仕事場での日常を綴った『蓼科日記』には、その名が多く登場し、脚本家の野田と「ダイヤ菊(一升ビン)100本飲みましたが、まだ映画が完成しませんね」と話していたという逸話も伝わっている。
諏訪市にあるダイヤ菊の蔵元を訪れたときは、冬の酒造りの真っ最中であり、杜氏をはじめ従業員の人々が忙しく作業をしていた。併設された小さな売店で、小津が飲んでいた酒はどれかと尋ねてみると、「小津先生が飲んでいたのはダイヤ菊の普通酒です。昔とは製法が少し変わっているので、今一番近いのがこれです」と、ダイヤ菊の本醸造を勧めてくれた。蓼科の水と人々が作り出した酒は、映画界の巨匠にとって創作のエネルギーを与えていたのかもしれない。
毎年11月初旬には、茅野市にて「小津安二郎記念・蓼科高原映画祭」が行われ、小津安二郎作品の上映ほか、短編映画コンテストなどが開かれる。
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