長野県南木曽町から妻籠宿を経て、馬籠、岐阜県中津川へと向かう中山道。馬籠峠を越える旧道は、新しく敷かれた自動車道の脇にひっそりと残り、往時の姿をよく残している。静寂な林の中をぬうように通る一筋の峠道。今ではほとんど通る人はいないのかと思えば、実は日本人よりも外国人旅行者の姿を多くみかける場所だ。その理由は、海外のガイドブックやウェブサイトなどで、”Magome-Tsumago Walking Trail”としてこの峠道が紹介されているため。全長約8km、ゆっくり歩けば2〜3時間のこのルートは、宿場町だけでなく、古い森やカントリーサイドを歩くことができるウォーキングコースとして、訪れる海外の人々に知られている。
妻籠、馬籠の宿場町跡をクルマやバスで訪れ、ひと歩きして足早に立ち去っていくだけではもったいない。深い森の中を、街道の風情を味わいながら歩いてみれば、その足跡は往時の旅人の姿に重なっていく。
馬籠は島崎藤村の故郷であり、「木曾路はすべて山の中である。あるところは岨づたいに行く崖の道であり、あるところは数十間の深さに臨む木曾川の岸であり・・・」という一節から始まる、小説「夜明け前」の舞台ともなっている。
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