東北には珍しい冬の2月に行われるエネルギッシュな祭り。八戸では、2月17日から4日間、「八戸えんぶり」と呼ばれる、800年もの歴史を持つ祭りが行われる。その年の豊作を祈願し、大夫と呼ばれる舞い手が牡丹の花などで装飾された華やかな烏帽子を被り、唄に合わせて縦に横にと頭を大きく振る。2種類の舞があり、テンポが速く激しい舞は「どうさいえんぶり」、ゆっくりとした唄とともに踊るえんぶりを「ながえんぶり」という。どちらも稲作の一連の動作を示しているといわれているが、白い雪の上で行われるその舞は、じつに勇ましく、神々しさすら感じるものである。
またこの祭りには、大人だけでなく、子どもも参加する。えんぶりの途中途中で恵比寿舞や松の舞と呼ばれる踊りがあり、ここが子どもたちの出番だ。一所懸命に練習をしたと一目見ればわかるその舞は、見るものの心を暖かくしてくれる。農具を持って大地を揺さぶるえんぶりは、街と街をつなぎ、大人と子どもという世代をつなぎ、過去と現代という伝統をつなぎ、さらには季節をもつないできた。八戸の春は、毎年この祭りからはじまるのだ。