成井恒雄さんの「地に足ついた」器
栃木県の益子といえば日本有数の陶芸の産地。民藝運動を牽引した一人、陶芸家・浜田庄司が作陶をした地としてよく知られている。その益子には浜田自身が収集した国内外の民藝品を展示している益子参考館があり必見の場所だけど、僕が益子に行く楽しみはもうひとつ、「スターネット」があるからだ。
スターネットは確かな手仕事を感じさせる陶器などの生活雑貨から衣服、食材などが選び抜かれて置かれたギャラリーショップ。併設するレストランでは地元で採れた新鮮で地味のある食材を使ったとびきりおいしい食事を楽しむこともできる。ショップで扱っている生活雑貨は地元益子や近県の作家さんのものを多く扱っているのも魅力のひとつ。こんな洗練された素敵な空間が益子にあるなんてと誰もが思ってしまうような魅力的な場所だ。
そのスターネットで出会ったのが写真にある成井恒雄さんの器。最近は若い陶芸作家も増え、時代に合ったきれいな器が随分多くなった。それはとても嬉しいことだけど、たくさんあるとかえって物足りない面が見えてくるのも事実。そんなときに見た成井さんの器に本当に惹き付けられてしまった。
シンプルなようでとても造形的なフォルム。でもこれ見よがしな作為性はまったく感じられない。地に足ついた器だけが持っているおおらかさのようなものが漂っている気がする。どうしても本人に会いたくてお話を聞きに行ってびっくりした。なんだか100年前にタイムスリップしたような生活ぶりの成井さん。ただそこには質素だけど本物の暮らしの原型があるような気がしたから。窯元の三男に生まれ中学生から家業を手伝い、30過ぎで独立、以後40年にわたり益子を離れることなくマイペースな活動を続けている。器は全て益子の土と釉薬だけを使ってひとりでつくる。ろくろに向かうときが一番楽しいそうだ。毎日使い、眺めているけど飽きるということがない。日用品だけど僕の宝物だ。クラスカのショップでも少し扱っているので興味のある方はぜひ実物をご覧あれ!
» スターネット http://www.starnet-bkds.com/



































